「イレブンナイン(11 nines)」とは、数字にすると「99.999999999%」──つまり、ほぼ完璧に近い信頼度のことです。
AWSというクラウドサービスでは、特に「S3」というファイルを保管する倉庫のような仕組みが、この驚異的な耐久性を誇ります。
この数値が意味するのは、「1兆個のファイルを保存したとしても、失われるのは1個あるかないか」というレベル。
普段使っているスマホの写真や、大事な書類のバックアップが、ほぼ絶対に消えない安心感。
それが「イレブンナイン」です。
「可用性」とは、システムやサービスがちゃんと動いている時間の割合のこと。
たとえば、あなたが毎日使っているスマホの写真アプリが、24時間中ずっと起動していたら「100%の可用性」ですが、
年に50分くらい使えなくなることがあるなら「99.99%の可用性」というわけです。
一方の「耐久性」は、保存したデータが消えてしまうリスクの小ささを表します。
AWSのS3というクラウド上のストレージは、「耐久性が99.999999999%」つまり、 1兆個のファイルを預けても、失われるのは1個あるかないか──というレベル。金庫より安全です。
ただし「可用性」は99.99%なので、理論上は年間で約52分ほど、サービスが使えなくなる可能性もあります。
つまり「消えないけど、ちょっとだけ止まるかも」──これがクラウドのリアルな性格です。
GCPのCloud Storageも、AWS S3同様に「99.999999999%」という極めて高い耐久性を謳っています。
これは、物理的な故障や分散障害に対するデータの損失リスクが事実上ゼロに近い設計思想であり、
イレブンナインが単なるマーケティング用語ではなく、GCPのレプリケーション制御やCRC整合性チェックの精緻な実装に裏付けられた数値である点が重要です。
一方、可用性についてはストレージクラスによって「99.95%」から「99.99%」と幅があり、 地理冗長構成(Multi-Regional)やクラス間の切替によってSLAを動的に調整できる設計自由度があります。
Microsoft AzureのBlob Storageも、「RA-GRS(Read-access geo-redundant storage)」を採用した場合、
イレブンナインの耐久性を達成します。
これは、東西レプリケーションにより一次リージョン障害時でも読み取りが可能な点で、 Azure独自のフェールオーバー設計が差別化要素となります。
可用性については「99.99%」と標準SLAに準拠していますが、ゾーン冗長(ZRS)やプレミアム階層によってさらに細かい制御が可能。
ただし、アカウント構成(V2 vs V1)やリージョン間で提供される冗長オプションに差があるため、
インフラ設計者は事前のSLA仕様確認と、Recovery Time Objective(RTO)・Recovery Point Objective(RPO)要件との整合性を取ることが求められます。
サービス名 | 可用性 | 冗長性・構成 |
---|---|---|
AWS S3 | 99.99% | リージョン冗長が可能 |
GCP Cloud Storage | 99.95〜99.99% | ストレージクラスで選択可能 |
Azure Blob Storage | 99.99% | ゾーン冗長やリージョン冗長の構成可 |
耐久性は全て99.999999999%です。
Amazon S3は、99.999999999%の耐久性を誇るオブジェクトストレージであり、通信・データ保護の観点から多層的なセキュリティ機能が組み込まれています。
通信経路ではTLSによる暗号化が標準で、保存時にはサーバー側暗号化(SSE-S3, SSE-KMS, SSE-C)やクライアント側暗号化が選択可能です。
データの整合性はチェックサム(SHA-256, CRC32など)で検証され、S3 Object LockによるWORM(Write Once Read Many)保護も可能です。
アクセス制御はIAMポリシー、バケットポリシー、ACL、VPCエンドポイント、S3 Block Public Accessなどが併用され、きめ細かな制御が可能です。
さらに、GuardDuty Malware Protection for
S3により、アップロードされたオブジェクトのマルウェアスキャンが自動化され、タグベースのアクセス制御(TBAC)と連携したブロックポリシーも構成可能です。
バージョニングやクロスリージョンレプリケーション(CRR)による冗長性確保、CloudTrailによる操作監査、MacieによるPII検出など、プライバシー保護と可視性の両立が図られています。
Google Cloud Storageは、RESTful
APIベースのオブジェクトストレージであり、通信はHTTPS/TLSで暗号化され、保存時にはGoogle管理鍵(GMEK)または顧客管理鍵(CMEK)による暗号化が適用されます。
IAMロールによるアクセス制御に加え、VPC Service Controlsで境界ベースの制限が可能です。
特筆すべきはSensitive Data Protection(旧Cloud DLP)との連携で、バケット内のオブジェクトをスキャンし、PIIや機密情報を検出・分類・マスキングできます。
検出結果はSecurity Command CenterやBigQueryに連携可能で、リスクレベルやinfoTypeに基づくポリシー適用が可能です。
また、Object Lifecycle Managementにより、非アクティブなオブジェクトの自動削除やストレージクラス移行が可能で、データ保持ポリシーとの整合性も担保されます。
CDPA(Cloud Data Processing Addendum)により、EU GDPRやHIPAAなどの法令準拠もサポートされ、プライバシー保護の基盤として機能します。
Azure Blob Storageは、階層型名前空間を持つオブジェクトストレージであり、TLSによる通信暗号化と、保存時のサーバー側暗号化(Microsoft管理鍵または顧客管理鍵)を提供します。
アクセス制御はRBAC、ABAC、ACL、SAS(Shared Access Signature)など多様で、きめ細かな制御が可能です。
データ保護機能として、Blob Versioningによる自動バージョン生成、Soft Deleteによる論理削除保護、Point-in-Time Restoreによる時点復元が利用可能です。
さらに、Immutable Blob(WORM)ポリシーにより、法令遵守や監査要件に対応した削除・上書き防止が可能です。
Microsoft Purviewとの統合により、スキャン結果に基づくSensitivity Labelの自動付与と、それに応じたアクセス制限(MIP Protection Policies)を実現できます。
Geo-Zone-Redundant Storage(GZRS)やCustomer-initiated Failoverにより、災害対策と可用性も強化されており、プライバシー保護と業務継続性の両立が図られています。
高可用性を担保するアーキテクチャを設計する際、最も致命的な誤りは単一リージョンへの依存です。
物理障害・ネットワーク断・オペレーションミスなどによって一地域全体が機能不全に陥る可能性はゼロではなく、 これに備えるにはマルチゾーン/マルチリージョン構成が前提となります。
各クラウドベンダーが提示するSLA(Service Level Agreement)の数値は、サービス単体の可用性保証に過ぎず、 実運用におけるRTO(復旧時間目標)・RPO(復旧時点目標)と整合するとは限りません。
真に可用性を設計するには、業務要件に応じたフェールオーバー戦略、データ同期方式の選定、 さらにはインフラだけでなくアプリケーションレイヤーの冗長性も含めて検討する必要があります。
SLAを鵜呑みにするのではなく、「可用性は構成と運用で担保するもの」という視点が求められます。
「イレブンナイン」という信頼度──それは数字だけ見るとまるで魔法のように見えるかもしれません。
実際に、AWS、GCP、Azureといった大手クラウドは、保存されたデータがほぼ失われないレベルの耐久性をすでに実現しています。
しかし、いくら耐久性が高くても「今すぐ使えるかどうか(可用性)」はまた別の話。
サービスがどれだけ止まらずに動くかは、クラウド側だけでなく、設計者の構成や運用によって左右される部分も大きいんです。
「耐久性」と「可用性」は、しばしば混同されがちな概念ですが、クラウドアーキテクチャ設計においてはそれぞれ独立した検討軸が必要です。
両者の差異を理解し、運用面から適切に補完することで、より堅牢かつ信頼性の高いシステム構築が可能となります。
全ページをリスト化したサイトマップも用意していますが、けっこうなページ数があります。
下記の「カテゴリー分けサイトマップ」のほうが使いやすいでしょう。
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